テキ通

第3回
クロスレビュー
こきち お前ら帰れ 勝手に言わせてくれ! 総評

和田サン
和田サンだよ。最近は本当に沢山のサイトがあるよね。どこを読めばいいのかわからない…そんなキミでも大・丈・夫。和田サンのレビューだよ。
かわいいデザインや動物キャラクターたちからは、ものすごくポップな世界を予感させられるけど、いざ蓋を開けてみたら、特徴的な文体で繰り広げられる、刺激的な毒を含んだ発言の数々。それぞれの発言が本当に容赦なくて、いちいち痛快だよ。ネタ自体にも、なんとも言えないおかしみがあるね。かわいい動物キャラクターに「たわけ」だなんて言わせちゃうんだから、落差に思わず笑ってしまったよ。完全に狙い通りだろうね。全面降伏です。 ネットゲームや大学生活など、日常生活から得たネタを綴った日記に加え、創作物の「昌子」「正志」と、コンテンツは揃えられているね。日記はなかなかボリュームがあって読むのが大変そうに見えるけれど、改行を程よく挿入する文体とマッチしていて、読むのが苦にならないね。でも、内容と比較して表現が無闇に大袈裟なせいで、書き手のテンションに置いてけぼりを食らってしまった感があるかな。違和感のない表現ができるよう推敲を重ねてほしいところ。 ほんの思いつきをささっと薄味で調理し、簡単に盛り付けた…そんなイメージかな。コース料理で言えばオードブル。テンポ良く進む文章はすっと頭に入ってきて、次々と読んでいけるね。こう読ませる技術は、案外出来ない人も多いと思うよ。しかし、軽快な文章からポンポンと飛び出るネタの方は、薄味すぎて余韻が無い。時にはもっとじっくり煮込む必要がありそうだよ。着眼点にもやや問題アリ。もう少し独特な発想で、読者の興味を惹いてほしいね。 更新停止をしているサイトの扱いについて話し合った結果、2006年に入ってから更新してないサイトはレビューの対象外にさせてもらう事にしたので、どうかご容赦を。閉鎖しているサイトも対象外とする予定だよ。やっぱり、これから先も更新し続けてくれそうなサイトを優先したかったからね。和田サン的には、「こきち」にもっと更新して欲しいよ。

聖紳士領域
日記系だのテキストサイトだの、いまだにやっている奴が沢山いるんだな。全くしょうがない奴らだよな。俺の名は聖紳士領域。つまらないサイトは、絶対に許さないよ。
愛らしい動物キャラが毒を吐く、そのギャップが面白いってのは漫画でよく見る手法だな。対話形式に関しては、パンダが白くなったり食べられたりという絵で見せるネタは面白いが、あとは毒舌が可愛さを殺してしまっているように感じた。10月以前のような独白のほうが安定してるかな。文体はキャラに合ってていい感じだ。1月1日の更新なんかは、毒気を含ませつつも、ほのぼのと終わらせていて、絶妙な匙加減だな。これからに絶対に期待したいよ。 ネット初心者が仲間との交流の為に作ったようなサイトだな。読み物のうち「昌子」は発想で奇を衒おうという気概を感じたが、通常の日記や「正志」は、推敲もせず思いつきをそのままダラダラ書いているだけだ。前回レビュ−した「4WDは君に語りかける」と同じスタイルだ。例によって余りにパワーもヒネリも無いので、他人に読んでもらう為ではなく、本当に交流の為のサイトのような気がしてきた。レビューしちゃってよかったのかな。絶対に不安だよ。 空気みたいなサイトだな。徒然コラムだと思うんだが、オチらしきものも、うまい言い回しも、雰囲気の良さも無い。悪く聞こえるが、逆にでしゃばった自意識なんかも無い。何がしたいんだろう?と思ったが、サイト名を見て納得だ。つまりそもそも、爆笑させようとか、唸らせようとか思ってないんだろうな。そうじゃないとしたら、俺はもうどうしたらいいのかわからないよ。俺は読まないが、需要はあるのかもしれないな。こういうサイトがあっても、絶対にいいと思うよ。 今回はなんだか和んじまったよ。どうも俺の感覚では評価を決めあぐねるようなサイトが多くて、ちょっと困惑しちまったがな。しかしあれだな、10点満点の絶対評価ってのは難しいな。同じ点数をつけたサイトが同じくらいの面白さだって事じゃないからな。ジャンルも手法も千差万別、同じ評価のサイトなんてのは、絶対にありえないよ。

キバヤシ
みんな聞いてくれ…テキストサイト界は今、ノストラダムスの予言通り滅亡の危機にある!だが!あきらめない!!それがオレたちにできる唯一の闘い方なんだよ!!
人類は遺伝子の奴隷だ!例えば「赤ん坊」を可愛く感じるのも、遺伝子で決定されていることなんだ!我々は「頭が大きい」や「目と目の間が広い」などの特徴を可愛く思い、赤ん坊を大切にする。つまり遺伝子を利用すれば、見た目で人を操ることも可能なんだ!そしてこの「こきち」なんだが…まさしく遺伝子を揺さぶる可愛さだ!見た目はもちろん、空白だらけの「スペースコロニー」風文体も可愛い、かつ心地いい!毒やオチを出す間の取り方にも注目だ! 人類は遺伝子の奴隷だが、それと同時に理性の動物でもある!そして…理性は客観性を呼ぶ!客観性なくして素晴らしい文章などありえない!…しかしだ!!「客観性がある」ことと「自意識過剰である」ことは違う!!どうもこのサイトは、自分が文章を提出したイベントなどに対して言い訳がましい!見苦しいんだよ!大学ネタも「またあのキラーウイルスサイトの影響か!」としか思えん!読みやすい分まだ救いはあるが、やはり意識が低いと感じたな! 仮にこの4点を「ポイント遠心分離器」にかけたとするならば…「基礎力3.9点」と「発想力0.1点」に分かれることだろう!淡々と句点で区切った文章は小気味良く、とっつきにくさを感じさせない。また、スベっても不快感に繋がりにくい!つまり、文章を書く「基礎力」は感じられた!が、肝心の内容…「発想力」については平凡の二文字に尽きる!「サムライロック」という思い付きの単語から「ギター侍」に持って行くそのセンスは、滅亡への片道切符だ! 「こきち」はもっと頻繁に更新して、コンテンツが充実していたら…10点を付けていたかも知れん!なんでもない一言で笑わせる巧妙な間の取り方は、かなりのハイレベルだ!また無闇に自己主張しない点からも、管理人がサイトをひとつの作品として捉えているのがよく伝わってくる!「お前ら帰れ」は、その精神の1カケラでも分けてもらうんだ!

惣流
まるでわたしみたいにセンスのいい文章を書く人がタイプよ。今回はわざわざレビューしてあげるんだから、死ぬ気で参考にしなさいよ!
キャラ対話という手法は散々使い古されて、もはや草木一本残っていない焼け野原状態なんだけど、ここは独特のファミコン風口調のおかげで、ある程度の独自性を獲得しているわね。可愛いキャラが淡々と話を進めていき、最後にスッとシュールに落とすのが基本スタイルみたいだけど、書き手がそれなりにセンスを備えている為、無駄な言葉もなく、スタイリッシュにまとまっていて好感触。ただ多くのキャラを使っている割に、どれもあまりキャラ立ちしていないのが気になるわ。 テキストサイトとしては死活問題とも言える文章力不足をどうにか補おうと、必死に面白い言い回しをしようとしているのは伝わってくるものの、悲しいかな、凡人特有のセンスのなさを露呈するだけで終わっているわね。自身の駄目っぷりを日記にするというのはよくある芸風だけど、どれもただ「堕落している」という事実止まり。文章力も発想力も何もないんだから、内容の方を丁寧に練り上げていくしかないと思うんだけど、それすら怠っているようじゃお先真っ暗。これでは救いようがないわ。 ライト系日記と言うと聞こえはいいけど、要は平々凡々な日常や他愛もない発想にチョロリと毛を生やした程度のことを日記にしているだけね。特に強調するような部分はなく、なんとなく思いついたことをダラダラと垂れ流しにしているだけの印象だわ。ただ文面から気負いが全く見られないから、「つまらないくせに面白ぶろうとしている」という薄ら寒さだけは避けられているのが救いかしら。要するに、面白味もなければ不快感もない、まさに何の特徴もないサイトね。 セリフの一つ一つにキラリとしたセンスが光る「こきち」は、各キャラの個性を打ち出しさえすれば、万人にお薦め出来るサイトとなるんじゃないかしら。初期の独り言的な日記も同様にセンスの良さを感じさせてくれるわ。「勝手に言わせてくれ!」は書き手自身に興味を持つことが出来れば、あるいは楽しく読めるサイトなのかも知れないわね。「お前ら帰れ」は単なるゴミよ。
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