テキ通

第9回
クロスレビュー
プラッチック クリスピー 母さん 総評

和田サン
和田サンだよ。最近は本当に沢山のサイトがあるよね。色々ありすぎてどこを読めばいいかわからない…そんなキミでも大・丈・夫。和田サンのレビューだよ。
「ネタ振り→ボケ→突っ込み」という短文の王道とも言える流れはやっぱり安心出来るよね。実力者がやるとなれば尚更だよ。学生時代に素人ながらも漫才コンビを組んでいたという異色の経歴を持ち、お笑い偏差値の高さには目を見張るものがある。普段の更新も素晴らしく上質なんだけど、それより何より「よりぬきプラッチック」のハイアベレージに興奮すら覚えたよ。「声に出して笑える短文」を実現しているのは、今のところはここだけかもしれないね。 語呂がよく覚えやすいサイト名に、お洒落なデザイン、サクサクと読める短めにまとめられたテキストと、取っ付きやすさは抜群。職場の知人や上司との絡みを中心とした会話ネタも、日常の微笑ましい一コマを上手く切り取っていて、何だか和んでしまったよ。グイっと目を引くような内容やアっと驚く巧みな表現はなくとも、この「何気ない毎日のほのぼの感」が他のサイトにはない武器だと思うんだ。読ませる文章や笑いだけがテキストサイトの魅力じゃないよね。 「母さん〜なんだ」という語り口で一世を風靡した、言うなれば現在の短文サイトの礎だよね。そのこと自体はすごく評価したいし、事実、以前のログを一気読みしていてクスリと笑わされることもあるんだけど、最近のパワー不足はどうにも否めないよ。無理にでも上手いことだけを言おうとして、本来の魅力であるユーモア溢れるネタ選びのセンスと脱力モノの切り口が随分と鈍ってしまっている印象かな。かつての安定感を今一度取り戻して欲しいよ。 今回は短めの文章で魅せてくれる、所謂「短文」と呼ばれるサイトたちをレビューしてみたよ。名実共にNo.1の風格漂う「プラッチック」はさすがの一言。誰にも媚びることなく、淡々と更新をし続けることによってその価値を高めていく姿勢は、テキストサイトの鑑と言えるよね。こういうサイトが増えてくれると、和田サン的には嬉しくなっちゃうなぁ。

聖紳士領域
日記系だのテキストサイトだの、いまだにやっている奴が沢山いるんだな。全くしょうがない奴らだよな。俺の名は聖紳士領域。つまらないサイトは、絶対に許さないよ。
一目見ればどんなサイトなのか把握できるよな。短文系のお手本であるとともに、王者の称号が相応しいサイトだ。短文系の例に漏れず、書き手のキャラクター的な個性は感じないが、単純なネタの質の高さは他に類を見ないぜ。同じお題を使い回してでも毎回笑わせてくれるし、裏サイトの日常日記もなかなか読ませるんだから、短文系としてだけでなく、個人サイトとしても最高水準の完成度を誇っていると言っていいだろう。絶対に貫禄すら感じるよ。 あっさりとした日常メモだな。シンプルなレイアウトで、雑感やギャグといった諸々の自意識を一切排除し、空気のように淡々と日常を綴る徹底した姿勢は見るべきものが…何?これは笑わせようとして書いている文章だと?日常会話に突っ込みを入れる短文?おいおい、この「しびれくらげ」が溺死したような文章の、どこに面白い発言やツッコミがあるんだよ。そんな冗談は絶対に要らないよ。…もし冗談じゃないと言うのなら、このサイトが絶対に要らないよ。 テンプレート形式の短文のパイオニア的存在らしいが、なんだこりゃあ。確かにこの形式は目を見張るものがあるかもしれないが、肝心のネタがお粗末すぎるんじゃないか。ヒネリもストレートな笑いも無い。くだらなすぎて笑える訳でもない。おっさんのしょうもない洒落を延々と聞かされている気分だぜ。「エレファントカシマシ娘」「代表戸締り役」って何のつもりだ?正気なのか?やる気が無いだけだよな。だったらとっととサイト畳んじまったほうが、絶対に潔いよ。 ねえ、みんな、なんで「母さん」「クリスピー」をそんなに誉めてあげたの?「母さん」「クリスピー」のどこがそんなに優れてて、いっぱいアクセスをあげたの?みんながあんまり誉めたりするから、俺、「母さん」「クリスピー」が優れたサイトだって勘違いしちゃったじゃない!!あまり俺を、怒らせないほうがいい。絶対に…絶対に許さないよ!!

キバヤシ
みんな聞いてくれ…テキストサイト界は今、ノストラダムスの予言通り滅亡の危機にある!だが!あきらめない!!それがオレたちにできる唯一の闘い方なんだよ!!
「短文サイトの頂点」という評価にはオレも異論ないんだが…それでも8点だ!何故なら、テキストサイトの文章でオレが重視している「表現の豊かさ」や「流れの美しさ」が、短文では見えてきにくいからだ!単発のネタを大量に見るより、オレは長めの文章を味わいたい!だから、短文サイトはオレにとって、「巡回のスパイス」的な位置付けにしかなりえないんだ!完成度の高い会話ネタを毎日更新している職人魂は素晴らしいが、これより高い点は付けられん! サイトを開いてすぐに見えたのが、「クリスピーはメゾン・ド・ペンギンを推薦しています」という一文!なんだってー!!ジャンプでやってるあの糞漫画を「推薦」だと!?仮にも漫画編集であるオレに挑戦状を叩き付けているのか!?ともかく、この管理人に一切のセンスがないことは良く分かった!無論そんな印象でサイトを読んでも楽しめるわけがなく、数々の日常ネタもオレの心を通り過ぎるばかりだ!!まあ見やすいデザインやクセのなさで3点としておこう! テキストサイトには、編集者がついていない!だから自由に表現できる反面、全て自分で判断する必要がある!ネタ出しも、推敲も、校正も…そして引き際も!!そう、引き際もだ!このサイトは、編集者がいないばっかりに、打ち切りの時期を見失ってしまった一発屋サイトだ!!確かにキャッチーさはあったかも知れん、当時は目新しかったのかも知れん!だが何年もやるものではない!「テツ&トモ」や「ダンディー坂野」の見事な消え方を見習うんだ!! 今回のレビューは「プラッチック」のみ悩んだ!ごく真っ当な感覚で考えれば9点以上が妥当と思われるサイトなんだが、オレはやはり、文章から書き手の意志を感じたい!!「この文章を書いている人は、一体どんな人なのだろう」と興味を持たせるような、人間的魅力のある文章をこそ評価したいんだ!だから、悩みに悩んでこの点数にさせてもらった!

惣流
まるでわたしみたいにセンスのいい文章を書く人がタイプよ。今回はわざわざレビューしてあげるんだから、死ぬ気で参考にしなさいよ!
短文界隈に燦然と輝く一つの巨星。一つ一つのネタを取ってみても、想像の斜め上を飛んでいく発想力と、的確かつ過不足のない突っ込みに舌を巻く。特にボケの威力が凶悪で、突っ込みなしでも笑いとして成立してしまうほど。これだけの質を保って慢心することなく毎日更新を続けてしまうのだから、その他大勢の半端なセンスだけが売りの短文サイトでは付け入る隙はないし、当分の間はプラッチック王朝が揺らぐことはなさそうだわ。もはや不動の地位ね。 基本は実体験を基にしたネタで、面白げな(少なくとも書き手にとっては)対話を重ねた後、最後に一言加えて落とすというスタイル。この手のテキストで最も重要なのは全体の大半を占める対話部分よりも、それを毒にも薬にもする最後の落とし方にあるんだけど、純粋にセンス勝負になるのよね。凡人が手を出してはいけないものなの。散々改行を重ねるだけ重ねて期待感を煽っておいて、こんなオチが待ち受けているなんてあまりにもあんまりだわ。 かつての短文最大手も、今ではオフラインのイベント活動に夢中で、たまの更新も駄洒落にも満たない程度の低さ。過去の栄光を振りかざして面白い人を気取っているのかも知れないけど、「オフ喜利」で二回連続最下位を獲得し、そんな幻想も木端微塵。いよいよオン、オフ共に「全然面白くない人」という覆しようのない評価が下されてしまったわけだけど、それでも彼は走り続けるしかないのかしら。何を目指し、どこに向かおうとしているのか、迷走は止まらないようね。 同じ短文を扱う3サイトだけど、明暗はクッキリ。人並み外れた発想力の「プラッチック」に対し、一般人以下のことしか言えない、残りの肥え太った豚たち。まず短文のお手軽感に騙されてはいけないわ。長文以上にセンスの有無が問われる分野で、力のない馬鹿がが手を出せば、ある程度見る目のある人からは蔑み嘲笑され、見捨てられるのよ。
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